オクラ
オクラや長いもなど、ネバネバした粘りのある食べ物は、昔から体に良いとされてきた滋養強壮の食べ物です。
特に、夏バテしがちな暑い季節、精をつけるため毎日うなぎというわけには行きませんが、オクラなら毎日でも食べられます。選ぶときは、表面のうぶ毛がチクチクするほど新鮮なものを選びましょう。そのうぶ毛も、塩でこすり洗いすればきれいに落ちてしまいます。茹でて小口切りにしたオクラは、鰹節としょうゆであっさりと。同じネバネバの納豆やとろろに混ぜて、粘りと風味を楽しんで…。また、形のよい星形の切り口は、椀ものの浮身や料理のかざりにもぴったり。揚げたり焼いたりしてもおいしいオクラは、夏の食卓の万能選手です。
かき氷
山盛りの氷にいろいろなトッピングが乗った喫茶店のかき氷より、家で作ったシンプルなものが、かき氷らしくて好きです。
家には手回しハンドルのついた氷かきがあって、子どもたちは小さな手で懸命にハンドルを回して、かき氷を作ったものでした。早く早くと急かしながら氷をかいて、シロップをかけると、とたんにかさが減り、口の中に入れればアッという間に溶けて無くなってしまった、大切なかき氷。急いで食べると、こめかみの辺りがキーンと痛んだものです。今でもかき氷を食べていると、氷の舌触りと一緒に、友だちや兄弟と競い合うようにして食べたあとピンクや緑色に染まった舌を見せあった、楽しい思い出がよみがえってきます。
いわな(岩魚)
釣り人の、特に渓流釣りをする人の心をとらえて離さない、イワナ。
川魚の中でも、川の上流部に棲息することで知られ、澄んだ汚れのない流れと同様、今の日本ではまさに稀少な魚。それゆえ、太公望の憧れとか、幻の魚などと言われます。つまり、イワナはシンプルな食べ方こそ、その自然の旨味を堪能できる魚。出来ることなら、釣ったその場で火を熾し、塩焼きで食すのが、食いしん坊の理想。骨まで味わい尽くすなら、燗をした日本酒に、よく焼いたイワナをひたして、イワナの香気と酒を楽しむ<骨酒>で。骨酒を堪能し、酒に浸したイワナは、躊躇せず丸ごと食します。山深い自然の、底知れぬ力を感じる、これぞ極上のひと時です。
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